私たちリースは、「個人の信用価値を最大化する」というミッションを掲げ、「信用」という大きなテーマと日々向き合うスタートアップです。これまで、社内イベントDialog Caféのvol.1およびvol.2を通じて、「人は何をもって人を信用しているのか?」という素朴で壮大な問いについて対話をしてきました。
「信用」は非常に曖昧で複雑な概念で唯一解が存在しないため、論点も多岐にわたり、イベント時間内に終わらないほど大いに対話が盛り上がりました。一方で痛感したことは、私たちの対話の質を向上させるためには、対話の土台となる見識を広げることが不可欠であるということでした。
そこで今回からは、先行する海外のCreditTechを事例に取り上げて概要をインプットし、気になったポイントについて対話をすることで、先行事例から学びながら理解を深めるべく対話をしてみました。
0. Dialog Caféとは?
日常の業務から一歩離れ、様々なテーマについてリースのメンバーがカジュアルに対話をする場です。一番の特徴は、社員に限らずあらゆる業務形態の人が参加する他、興味があれば社外の人でもゲストとして参加してOK!というオープンさ。
他にも以下のようなスタンスを大切に、毎月一度開催しています。
対話のテーマは、信用やAIなどリースの事業領域に関わるものから、「そういえばこれって皆どう思う?」といった素朴な疑問まで幅広く扱います。
1. 今回のテーマ
今回のテーマは、「先行する海外のCreditTechはどうなってる? 〜中国アリババグループの『芝麻(ジーマ)信用』編〜」。中国アリババグループの『芝麻信用』について概要をインプットした上で、気になったポイントをピックアップし、グループに分かれて対話してみました。
今回の参加者は計12名。社内からは経営陣・ビジネスサイド・開発サイド・AIチーム・業務委託のメンバーが満遍なく出席しました。
2. 今回のアジェンダ
今回のDialog Caféは、以下のような流れで進行しました。
このnoteでは、会の進行の順を追って、当日の内容をお伝えしていきます。
※ 前述の通り、Dialogはあくまで対話のプロセスであり、リースとしての公式見解を示すものではありません。
3. 中国アリババグループ『芝麻信用』について改めてお勉強
まずは概要のインプットです。メンバーの1人がまとめてくれた概要をざっくりご紹介します。
※後述する参考リンクからテキストを引用、一部編集して利用している箇所もあります
▼中国における信用システムの構築について
民間主導と政府主導の2つの仕組みがある。
▼中国政府による社会信用システム構築の歴史
▼芝麻信用(ジーマ信用・セサミクレジット)とは?
高スコアを得ることに対するインセンティブ例としては:
▼アリペイについて
▼スコアリングの仕組み
▼信用スコアがなぜ使われるサービスになるのか?
◉ 中国の社会的背景
◉ 中央政府による下支え
▼実際どうなの?
◉ 芝麻信用は、中国外でのセンセーショナルな報道のされ方に反して、中国国内では「便利なプラットフォーム」として認知されている。「監視社会」「デストピア」は報道によって作られた認知とも言えそう。
◉ 人々の生活に起きた変化
◉ 抱える課題
4. 気になったポイントとグループダイアローグ
中国アリババグループの「芝麻信用」について、サービスの概要から背景、芝麻信用により現在起きている事象など、様々な情報をインプットした上で、参加メンバーから多くの気になったポイントが上がってきました。
こちらの全てを取り上げることはできませんでしたが、ダイアローグが盛り上がったものを幾つかピックアップしてご紹介します。
▼ソーシャルグラフ上の村八分は起きるのか?
※この点については:
中国ではいまだに、児童誘拐や人身売買が大きな社会問題で、年間約20万人の子どもが行方不明になっているとの報道もある。幼稚園や小学校は、誘拐を心配して両親や祖父母が送り迎えしているほど。
また、交通ルールを守らないドライバーによる事故や無断駐車、暴走運転などで渋滞が起きることも少なくない。
このように、中国には社会問題が依然として山積しており、監視カメラについても「誰が一番困るかといえば、犯罪者やルールを守らない人間だ。真っ当な生活をしていれば何の影響もない」という声が多いのも事実としてあるようです。
参考)アリババ、テンセントも集約。中国の信用スコア国家管理に若者たちの本音
▼Opt-outできない社会って辛くないか?
▼信用スコアと距離を置きたいなら、現金による取引を選択するという方向性はどうなんだろうか?
5. まとめ
今回のDialog Caféでは、先行する海外のCreditTechの事例として、中国アリババグループの「芝麻信用」を取り上げて対話しましたが、ダイアローグの盛り上がりからも、世界を見渡し、より見識を広げるための取り組みとしては極めて有意義だったと思います。
先行しているからこそ、ケーススタディとして、本格的に信用スコアリングが経済社会に実装された際に起きる事象例が幾つもあり、具体的な情景を思い浮かべながら対話ができた点はとても興味深く、私たちが今後ケアしていくべき課題も浮かび上がってきました(地政学的な観点で日本と中国とでは大きく違う点が多いことから、単純比較や無思考な輸入はできませんが)。
私たちのダイアローグの質を向上させるために価値ある取り組みとして、今後に繋がる企画になったのではないかと思います。
6. 編集後記
今回は半分をインプットパートとして実施した形式でしたが、ダイアローグをしている身としても、あらためてこの記事をまとめている身としても「実際のところはどうなんだろう?」と感じました。
ネット上には様々な記事がありますが、例えば「監視社会の始まりだ」とネガティブに捉えるものもあれば、「民度が高まって生活しやすい国に変わるきっかけになっている」とポジティブに捉えているものもあります。
中国に住む方々は実際どう受け止めているのか?メディアを通してではなくて、直接声を聞きたくなりました。
ということで、なんと次回は番外編として社員の知人で中国は深圳に住む日本人の方に、現地の生の情報を届けてもらう会を行うことになりました。
私達がメディアを通してもった印象との差分がどれほどあるのか?楽しみです。
Dialog Caféは外部の方の参加も歓迎しております。
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