【Dialog Café vol.2】 社内のあの人の「信用をスコア化してみる」を皆でやってみた
皆さんは普段「あの人は信用できる人だ」と、どのような基準で判断していますか?また、その基準は他の人からも賛同が得られるものでしょうか?
「信用」は、仕事や私生活のあらゆる場面で重視されるものでありながら、その基準は個々人の暗黙知になっており、非常に曖昧な概念です。
私たちリースは、「個人の信用価値を最大化する」というミッションを掲げ、そんな至極曖昧な「信用」というテーマと日々向き合うスタートアップです。今回はそんなリースのメンバーで、「人は、何をもって人を信用するのだろう?」という素朴で壮大な問いについて、Dialog Caféという社内イベントの時間に対話をしてみました。
0. Dialog Caféとは?
日常の業務から一歩離れ、様々なテーマについてリースのメンバーがカジュアルに対話をする場です。一番の特徴は、社員に限らずあらゆる業務形態の人が参加する他、興味があれば社外の人でもゲストとして参加してOK!というオープンさ。
他にも以下のようなスタンスを大切に、毎月一度開催しています。
対話のテーマは、信用やAIなどリースの事業領域に関わるものから、「そういえばこれって皆どう思う?」といった素朴な疑問まで幅広く扱います。
1. 今回のテーマ
今回のテーマは、「人は何をもって人を信用しているのか?~あの人を分析してみよう編~」。前回のDialog Caféで信用の評価軸について様々なアイデアが出たので、今回はリースメンバーのある1人を題材に、その人がどれだけ信用できる人か?を実験的に評価・採点してみることにしました。
特定の人物に焦点を当てて対話することで、信用度を評価する側のメンバーそれぞれの判断基準の差分が可視化されやすくなり、そのぶん議論が盛り上がるのでは?と期待してのテーマ設定です。
※ 前回のDialog Caféの内容はこちら👇
今回の参加者は計12名。社内からは経営陣・ビジネスサイド・開発サイド・AIチーム・業務委託のメンバーが満遍なく出席した他、前回のDialog Caféの話を聞いて興味を持ったというリースメンバーの知人1名も、ゲストとして参加してくれました。
初対面となるゲストの方を筆頭に、評価・採点を受ける被験者メンバーとの関わりの濃淡に大きな差のあるメンバー構成となっており、それが議論にどのような影響を及ぼすのか注目です。
2. 今回のアジェンダ
今回のDialog Caféは、以下のような流れで進行しました。
今回の参加者の中には、ゲストの方をはじめ被験者となってくれたメンバー(以下、Aさん)とは関わりの薄いメンバーもいたため、まずはAさんの自己採点を聞くところから場がスタート。その情報を呼び水に、グループダイアローグでAさんの信用度の評価・採点を行いました。
このnoteでは、会の進行の順を追って、当日の内容をお伝えしていきます。
※ 前述の通り、Dialogはあくまで対話のプロセスであり、リースとしての公式見解を示すものではありません。
3. 被験者Aさんの自己採点
まずはAさんの自己採点を聞くコーナー。Aさんには事前に、自身の「信用」に関して加点・減点要素を3つずつ挙げた上でそれぞれに点数をつけてもらい、基準点の50点から足し引きをして「信用スコア」を算出してもらっていました。その内訳がこちらです。
結果、基準点50点に対し、加点が40点、減点が20点で、Aさんの信用スコアの自己評価は70点となりました。
4. 信用スコア採点ダイアローグ
続いては2つのグループに分かれて「Aさんにはこういう加点要素もあるのでは?」「この要素は-5点ではなく-20点では?」といった議論を行いながら、Aさんの信用スコアを採点し直すグループダイアローグの時間。
30分の対話を経て、それぞれのグループが導いた点数は以下の通りです。
▼ グループA
【加点・減点要素一覧】
※多く挙がったため一部抜粋
▼ グループB
【加点・減点要素一覧】
2つのグループで点数に大きな差があることが興味深いですね。一方で、Aさんが車の罰則金を支払い忘れたことに関しては、両グループから共通して厳しい評価がありました。
5. 振り返りダイアローグ
共有が終わった後は再びグループに分かれ、双方の共有内容を踏まえて振り返りを行いました。そのなかで盛り上がった議論を、一部抜粋してお伝えします。
◉「人がよすぎること」は信用にどう影響する?
◉ パブリックでの評価とプライベートコミュニティ内での評価は異なる?
◉「誰かの紹介」は信用スコアに大きな影響を与える?
6. まとめ
今回のDialog Caféでは、Aさんの信用度をスコアリングするなかで、信用スコアを高めるために重要な要素についてはもちろん、スコアリングを行うにあたっての課題も浮かび上がってきました。そうした「当初は予測していなかったけれど、とても重要なトピック」を発見できたのは、ダイアローグならではの大きな価値だったのではないかと思います。
そうした信用スコアリングにおける課題を含め、今回の対話から生まれた示唆をまとめると、以下の通りです。
こうした示唆からもよく分かる通り、リースが向き合う「信用」というテーマの奥深さを改めて実感できる時間になりました。
7. 編集後記
今回も興味深い議論がたくさん生まれましたが、なかでも、私(当記事ライター)が最も印象深く感じたのは、リースメンバーからの採点を受けたAさんが「パブリックなお金の払い忘れはこんなにも重大なことだったのか…と気がつき、心を入れ替えようと思った」と仰っていたこと。なぜならそれが、スコアリングが人の行動に変容をもたらすことが如実に実感できたワンシーンだったからです。
評価軸をつくるという営みは、このように人の行動に影響を与え、ひいては社会のあり方をも変えてしまうパワーを持っています。大袈裟ではなく、評価軸の作り手がどんな意図を持つかによって、作られる社会の姿は大きく変わってしまうと言えるでしょう。
だからこそ、こうして日々「信用」というテーマの複雑さに真正面から向き合い、安易に答えを出さずに誠実な議論を重ねるリースメンバーの姿勢は、手前味噌かもしれませんが、すごく望ましいものだと感じました。そうした姿勢が生まれるのはきっと、各々が信用の評価軸をつくることへの責任感と矜持を持っているからだと思います。
そんなリースメンバーの熱量を、このnoteを通じて読者の皆さんにお伝えできていたら幸いですし、もしも「Dialog Café面白そう!」と思ってくださった方がいれば、ぜひ次回はゲストとしてご参加いただけたら嬉しいです!
以下ウェブサイトのお問い合わせフォームより、ぜひお気軽にご連絡ください^^
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