監査法人、コンサル、ベンチャーでの上場を経て「コーポレートお母さん」を目指す、私の挑戦
リースメンバーの人となりを紐解くインタビュー企画、第7弾はリースのコーポレートユニットのリーダーを担う東海林さんに、リースにジョインした経緯や、これまでのキャリアについてお話を聞きました。
公認会計士として監査法人や事業再生コンサル、ベンチャー企業での上場業務など様々な経験を積んできた東海林さんが、次なる挑戦のステージとしてリースを選んだ理由とは?
また、東海林さんがリースにジョインしたのは、妊娠6ヶ月目だったそう。妊娠中に入社が決まったエピソードから、リースのカルチャーについても紐解きます。
監査法人時代に感じたモヤモヤが、リースのミッション共感につながる原体験に
──東海林さんは大学で心理学を専攻し、在学中からメンタルトレーナーとして働かれていたんですよね。その後、一念発起して公認会計士を目指したそうですが、それはどうしてだったんですか?
東海林:心と向き合う仕事をするなかで、目に見えないものを扱うことの難しさやもどかしさを強く感じたんです。だからこその価値ももちろんあるとも思いつつ、もっと目に見えるもので誰かの役に立ちたいと思うようになり、数字の世界に飛び込むことを決めました。
幼い頃から「誰かの役に立ちたい」という思いが強く根底にあるのですが、そうした思い自体はずっと変わっていなくて。そのアプローチ方法を、心理から数字へと転換した、という感じです。
──すごく大胆な転換ですよね。ちなみに、メンタルトレーナーというのはどんなお仕事なんでしょう。
東海林:経営者やアスリートなどが目標に向かって突き進むときに生じる、様々な心の問題のサポートを行う仕事です。具体的には、モチベーションの維持や目標設定、本番の緊張を和らげるサポートなどを行っていました。その方の人生を決める重要な局面でサポートに入ることも多々あり、緊張感と同時に大きなやりがいを感じられる仕事でしたね。
──その後、公認会計士試験に合格し、監査法人という、目に見えるものを扱う世界に実際に入ってみていかがでしたか?
東海林:実は監査法人の仕事自体は、あまり楽しくなかったんですよ(笑)。淡々とこなす仕事が多かったので。ただ唯一、自己査定監査だけは楽しかったですね。その時の体験が、リースのミッションに共感する原体験にもなっています。
──自己査定監査とは具体的に、どんなことを行うんでしょう?
東海林:ひと言で言えば、金融機関の融資先のランク付けを確認する仕事です。金融機関は、返済能力を基準に融資先をランク付けするのですが、実はそのランク付けは、杓子定規に行われるわけではないんです。
基準となるモノサシはもちろんあるのですが、例えば、そのモノサシだけで判断するとダメダメな判定を受けてしまう融資先もあります。その場合、追加の融資が難しくなったり、すぐに融資を回収することとなり、潰れてしまう融資先もあるんです。そのため銀行は「形式的なモノサシで測るとこうなるけど、人の判断を加えて実質的に評価しよう」と、手作業を入れることがあります。とはいえそこで不正が起きてはいけないので、そうして行われたランク付けが妥当かどうかを確認するのが、自己査定監査という仕事です。
その際の金融機関との議論が、すごく楽しかったんですよね。人間ゆえに目の前の融資先を助けてあげたい気持ちもありながら、会計士として譲れない部分も当然あって。どうすれば融資先を実質的に評価できるか、金融機関と一緒に頭を悩ませながら、一つの融資先の行く末を大きく左右するような決断に関われることに、強いやりがいを感じました。
──融資先のランク付けは必ずしも杓子定規に行われているわけではない、というのはかなり意外でした…!
東海林:そうですよね。とはいえ、全ての融資先にそうした時間を割けるわけではないので、手作業を入れられるのは融資額の大きい先など、ほんの一部に過ぎないんです。それ以外の融資先は、基準となるモノサシで無機質に評価されてしまうことがほとんどでした。
でも、そのモノサシが融資先を本当に正しく評価できるものになっているか?と言われると、そうでもなくて。もっと本当に頑張った人や企業が評価される社会になってほしい・・・という当時の葛藤が、「新しい信用のモノサシをつくる」というリースのスローガンへの共感にも繋がっています。
事業再生コンサルで実感した、コーポレート部門の重要性
──普通の監査業務とは異なる、そうしたウェットな業務にこそ楽しさを感じていたという点で、やはり東海林さんは人と深く関わることに大きなモチベーションがある方なんだろうなとも思いました。その後、事業再生コンサルに転職されたのはどうしてだったんですか?
東海林:誰かの役に立ちたいと考えたときに、監査ってどうしても敵のイメージがあって。そうではなく、会計士の知識を生かしてクライアントと同じ目線で取り組める仕事ってなんだろう?と調べるなかで、事業再生に興味を持ちました。
──事業再生コンサルでのご経験が、東海林さんが現在コーポレート部門で働く理由につながっているとも聞いています。どんなご経験があったのか、教えていただけますか?
東海林:事業再生のコンサルをする際には、クライアントの状況を正しく把握するために、過去10年ほどの業績の推移も調査します。そうして会社の歩みを遡ると、「不調の原因はここと、ここと、ここだ!」というのが、どの会社にもあるんですよね。
原因は会社ごとに多種多様なのですが、どの会社にもだいたい共通していたのが、コーポレート部門の不十分さでした。コーポレート部門が機能していれば、不調の原因をいち早く察知し、対処ができていたと思います。
事業再生コンサルに依頼が来るのは、いわば末期がんのようなフェーズの会社です。もともとは好調だった優良企業が、どうにもならない状況にまで追い詰められてしまった姿を見続けるなかで、「コーポレート部門がもっとしっかりしていて、あのタイミングで手を打てていたら、こうはならなかったのに…」と、すごくもどかしい思いをしましたね。
──確かに、コーポレート部門が不十分な状態というのは、組織において自浄作用が働いていない状態とも言えるかもしれません。そうした経験から、健全な会社経営には良いコーポレート部門が必要だ、という考えに至ったんですね。
東海林:そうですね。会社の調子がいい時にはあまり目立たないけれど、会社が少し傾いたときに持ち直せるかどうかは、コーポレートの強さにかかっているんだなと思うようになりました。
──その後、「強いコーポレート部門を作りたい」という思いで、クラウドサービスを展開するベンチャー企業・セーフィーに転職されたそうですね。
東海林:はい。加えて、末期がんフェーズの会社に関わるなかで、これから伸びていく企業に関わりたいという思いや、コンサルとして外側からできることの限界を感じるなかで、企業側にジョインしたいという思いを持つようになっていたのも転職を決意した理由です。
妊娠中の転職への正直なスタンスが、リース入社の決め手
──セーフィーにはN-1期にジョインし、コーポレート部門として上場業務を経験されたんですよね。その後、リースへの転職を決めたのはどうしてだったんですか?
東海林:セーフィーで上場までこぎつけた経験を、もっと若い会社で生かしてみたいと思ったからです。また、私がジョインした頃、セーフィーは既にある程度土台ができていたので、もっとアーリーフェーズからジョインして、コーポレートの土台作りから会社を支えていきたいという思いもありました。
そのなかでリースを選んだのは、先ほども話に出たように「新しい信用のモノサシをつくる」というスローガンに共感したことと、妊婦でありながらチャレンジしたい!という私の思いに誠実に向き合ってくれたことが大きかったですね。
──東海林さんは、妊娠6ヶ月目でリースにジョインされたんですよね!東海林さんにとっても妊娠中に転職をするのは大きな決断だったと思いますが、それを受け入れたリースもすごいと思います。
東海林:妊娠中に転職をするのは、もちろん大きな決断ではありました。でも仮に子どもを生まないとしたら、転職するなら今だ、というタイミングだったんです。子どももキャリアも両方諦めたくない、もしどちらかだけを選んだら絶対後悔する、と思い、転職を決意しました。
ただ、妊娠中の転職活動は、エージェントから断られることも多くて。妊娠中の人が内定を取るのは、やっぱり難しいみたいなんです。そのなかでも転職を応援してくれるいいエージェントと出会い、その方から紹介していただいたのが、リースでした。
──リースは、妊娠中でもウェルカムというスタンスだったということですか?
東海林:リースのスタンスは、「出産・子育てと仕事を両立する東海林さんのチャレンジは応援したい。でも実際、うちにとっても初めてで、体制も作りきれてはいないから、一緒に頑張っていこう」というものでした。
転職活動中に出会った企業のなかには、「妊婦でも受け入れますよ、その後も大丈夫ですよ」と豪語しつつ、体制が本当に整っているかは怪しい企業もあって。そのなかで、「東海林さんにはコーポレート部門に入ってもらうわけだから、一緒に頑張っていい体制を作っていこう」というリースのスタンスは、とても正直で信頼ができるなと思い、魅力を感じましたね。
──リースの方々の誠実さに加え、「個人のチャレンジを応援したい」というリースのカルチャーもよく現れているエピソードですよね。入社後は具体的にどのような業務をされているんでしょうか。
東海林:現在は総務・財務・経理・法務・労務など、コーポレート業務全般を担当しています。そうした通常業務に加え、コーポレート部門を強化するにはどうすればいいか、という施策を考えて実行したりもしていますね。
目指すは、強くてしなやかな「コーポレートお母さん」
──最後に、東海林さんの今後の展望を教えてください。
東海林:強くてしなやかなコーポレート部門を作っていきたいです。ただ強いだけじゃなくて、しなやかな、というのがポイントですね。
いくらコーポレート部門がしっかりしていても、強くてガチガチな雰囲気だと、怖がられてしまって情報も共有されづらいと思うんです。なので、しっかりとした雰囲気を持ちつつも、相談しやすい、柔軟に対応してくれそうな雰囲気も持っていることが大切だと考えています。とはいえ、コーポレートとして譲れない部分にはしっかりと線引きをして、怒るところはちゃんと怒る、というのももちろん重要ですね。
そうした雰囲気に合致するのが、お母さんなんじゃないかと思って、私は「リースのコーポレートお母さんになる」と宣言しているんです(笑)。コーポレートお母さんとして、これから出産する我が子とリースの両方を育てていきたいなと。Slack上で「母ちゃんに怒られたいのか?」というスタンプも作って、活用しています(笑)。
――コーポレートお母さん(笑)!とってもキャッチーだし言い得て妙ですよね。
また、CHROの野島さんが、「これだけクリアにやりたいことを持っているコーポレート分野の方はすごく珍しい」とも仰っていました。野島さんから見た東海林さんについても、最後に少しコメントをいただきたいと思います。
野島:東海林さんを採用する際、僕らがいいなと思ったのは、「“社内のメンバーがコーポレート業務の重要性を理解していて、協力的である”というカルチャーの醸成が、強い会社作りには欠かせない」というのを、過去の経験から実感されていたことでした。
開示業務や経営管理に必要な数字を出すのって、現場からすると正直面倒に感じることもあると思います。売上にも繋がらないのに、ただ業務が増えるという印象を持つ人もいます。とはいえ、事業再生コンサルで東海林さんが経験したように、そうしたコーポレート業務は会社の健全な経営にとても重要なんですよね。
また、カルチャーづくりに関わるには初期フェーズであればあるほど良いので、わざわざ上場ベンチャーを飛び出してリースにジョインする理由にも説得力があり、いいなと思いました。
でも何よりもまずは、無事に元気な赤ちゃんを産んでほしいですね!
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