プロダクトだけでなく、リースという組織を全方位でデザインしていきたい
リースメンバーの人となりを紐解くインタビュー企画、第8弾はリース初のデザイナーとして入社した麻尾さんが登場。領域に縛られないマルチプレイヤーとしてのキャリアパスや、デザイナーの役割、今後リースで目指すことについて話を聞きました。
デザインからマネジメント・経営までこなすマルチプレイヤー
──麻尾さんは、デザイナーとしてどのようなキャリアパスを歩んできたのでしょうか。
麻尾:子供の頃から何かをつくることが好きでした。デジタルやコンピューターも好きで、ワープロの罫線機能や外字エディタで絵を描いたりもしていました。単に絵を描くというよりは、ポスターや掲示物など、「何かを伝えられる」ものをつくるのが好きだったんです。思い返すと、そういった志向からデザイナーの道を志すようになったのかもしれません。
その後、建築やグラフィックに魅せられて工業デザイン学科のある大学へ進学しました。工業デザインですので見た目の美しさや芸術性だけでなく、機能性やユーザー体験、製品としての実現性も重要視されます。当時はまだUIやUXという言葉は使われていませんでしたが、学生時代に学んだことが今のデジタルプロダクトのデザインにつながっていると感じます。
とはいえ、新卒から今まで、いわゆる「デザイナー」という肩書きで想像されるような役割に特化して働いてきたわけではありません。制作会社では営業やディレクターも経験しましたし、フリーランスになってからはWEBデザインやECサイトの立ち上げ、フロントエンドエンジニアやUXデザイナーなど、転々としながら色々なスキルを学んできました。
──キャリアパスの中でも、前職ではより経営に近い働き方も体験されたとか。
麻尾:はい。toCの事業会社に、新規事業の立ち上げ要員として入社しました。その後、メインプロダクトのUXデザイナーを経てPdMとなり、そのタイミングで執行役員CXOを拝命し、経営にも携わりました。その間もプロダクトのデザインには関わっていました。
──二足ならぬ、何足ものわらじを履いていたんですね。
麻尾:色々やっていたので、「これをやっていました」とひとことで言うのが難しいんですよね。UXデザイナーとしてFigmaで画面仕様もつくりましたし、コードも書いていました。PdMとしては、プロダクトのロードマップを定めたり、プロダクトKPIの管理をしたり、会社のOKRやKPIの策定や管理、メンバーとの1on1などのチームマネジメントもしました。
経営メンバーになってからは、ビジネス全体を意識するようになりました。それまではプロダクト単体にフォーカスしていましたが、事業全体の戦略や収益性を見据えて動くことが求められるようになったんです。「ビジネスの成長のためにプロダクトはどうあるべきか、チームはどうあるべきか」という視点で、意思決定をするようになったと思います。
「信用をデザインし直す」という新たなチャレンジ
──リースには、2024年5月に転職されましたね。参画の背景について教えてください。
麻尾:三人目の子供が生まれた時に、4ヶ月間育休を取ったんです。ポジション的に「自分が離脱してしまって大丈夫なのか」と心配していたのですが、蓋を開けてみたら何も問題なくて(笑)。そのあたりから転職が視野に入ってきて、タイミングよくリースと出会うことができました。
ちょうど40歳という節目で新たにチャレンジしたい気持ちもあったので、リースがアーリーステージのスタートアップであることも、転職の決め手のひとつになりました。「デザイナーなんだから自分はここまでしかやらない」と領域を定めてしまっては務まらない状況だろうし、自分だったらその状況も柔軟に楽しめる確信があったんです。まさに、「Dive as a Husler(思い切って飛び込もう)」というリースのバリューを体現した感じです(笑)。
麻尾:また、社長の中道は建築やデザインに関して造詣が深く、価値観が合致していると感じたことも大きかったです。「デザイン」の捉え方は人によって差があると思いますが、僕は表層的な美しさや使いやすさではなく、本質的な課題解決やイノベーションのプロセスであるべきだと考えています。転職の際に「プロダクトだけでなく、経営の戦略としてデザインを取り入れたい」と言われたので、リースだったらデザイナーの裁量も大きいだろうという期待がありました。
──「個人の信用価値を最大化する」というリースのミッションとの個人的なリンケージがあれば教えてください。
麻尾:リースのミッションには実体験からの共感もありましたし、次世代の与信プラットフォームの構築については、新しいことをやっているな、と興味を惹かれました。
「信用」は家やお金を借りる際に現れてくる概念なのですが、僕自身、フリーランスであることや転職回数の多さから個人の信用力が弱く、不都合に直面することがありました。というのも、公務員や大企業の正社員など「属性」での判断に重きを置くのが従来の「信用」なんです。この判断基準はずっと変わっていません。今の時代に合っていないことは明らかで、これを是正し、個人の信用価値を定義し直すことがリースのミッションです。
僕は、このミッションを「信用のリデザイン」という壮大なテーマだと捉えているんです。目に見えない「信用」をどのようにスコアリングしていくのか、日々挑んでいるところです。
目指すは会社全体のデザイン
──リースに転職して5ヶ月ほど経ちましたが、働く環境はどうですか。
麻尾:週1回の出社奨励日に新宿オフィスに出社し、あとは湘南の自宅でリモートワークしています。心地よいバランスでハイブリッドな働き方ができています。出社奨励日には皆で一緒にランチを食べたり、時々飲み会もしたりして、コミュニケーションを深めています。先日はサウナにも行きました。
ミッションへの共感が高いメンバーが集まっていて、皆フラットなので居心地もいいです。僕としてはもっと雑談もしていきたいので、まずはプロダクトのことや業界ニュースについてワイワイ話せる空気をつくっていきたいですね。組織やコミュニケーションのあり方についても積極的に関わって、リースらしいカルチャーをデザインしていきたいです。
──リース初のデザイナーということですが、現在はどのような業務をしているのでしょうか。
麻尾:プロダクト周りのデザインに関しては、会社のロゴや名刺、イベント販促物など、手を付けられるところから始めています。コーポレートサイトのデザインや「家賃保証クラウド」のUXデザインも少しずつ進めています。
ちょうど先日発表されたのですが、家賃保証業界の市場分析を行う 「家賃保証ラボ」の設立に伴いロゴをつくったところです。
このシンボルマークはラボの「 L 」をモチーフにしており、業界のナレッジや最新情報が集結しているイメージを表現しています。作成にあたり、より家賃保証っぽいモチーフやラボっぽいモチーフ、例えば家やフラスコなどの具体的なモノモチーフも作成しましたが、「結局、何を表現させたいんだっけ」という原点に立ち返り、この案を採用しました。
麻尾:デザインに限らずですが、とにかくすぐに形にすることを心がけています。粗々なスケッチでも良いので、Slackで見せてフィードバックをもらうんです。最初に出す案はクオリティが低い方が逆に良いのではと思っています。その方がレビュアーも意見を出しやすくなるので。意見をもらったらパパッと直してまた見てもらっています。
そうしてブラッシュアップしながら、皆でつくっていくんです。デザイナーの役割はアイデアを可視化することと、議論をファシリテートすることだと思っています。
でも、現在はデザイナーとは名乗っておらず、肩書きはプロダクト開発ユニットのサブマネージャーです。プロダクトマネジメントの経験を活かして、働きやすさや効率をアップするための地盤を整えました。例えば、プロダクトのロードマップを定めたり、開発にスクラムを取り入れましょうという話をしたり。経営に関わる部分では、スカウトや採用面接もしています。
家賃債務保証という分野のドメイン知識が無い状態が課題だったので、そこはまだまだ勉強中です。「家賃保証クラウド」では、実際にお客様の業務を担当させてもらいました。分からないことがあればメンバーが手厚くサポートしてくれるので、とてもありがたいです。
──本当に色々なことをやっているのですね! 麻尾さんのお話や取り組みかたを聞いて、「デザイン」の認識が変わりました。今後、目指していることは何でしょうか。
麻尾:転職の際に社長の中道とも話していましたが、今後、デザインユニットを立ち上げてまとめていく予定です。経営にドライブできるような、デザイン思考に開かれた組織づくりとクロスファンクショナルなチームづくりを目指します。ブランディング面、組織やカルチャー、コーポレート全部に絡みながら、リースの成長を支え、ミッションの達成に貢献したいと考えています。
個人的な理想で言いますと、僕は日本のデザインの領域を広げたいんです。ブランディングやプロダクト以外にも、もっと広い領域で貢献できると知らしめていけるように頑張ります!
(取材・文 二木薫)
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