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全銀協フォーマットとは?主要企業の対応ファイル形式について解説

家賃保証に携わる方の日頃のちょっとしたお悩みに答える「家賃保証マガジン」今回は、全銀協フォーマットがテーマです。

金融機関や収納代行サービスを通じて、家賃の口座振替依頼や引き落とし結果のデータを取得する際に、「全銀協フォーマット」で作業をしなければならないケースが多いのではないでしょうか。

金融機関・収納代行サービス会社は、集金や収納業務を効率的に実行するため、各企業で対応しているファイル形式が異なります。どの企業がどのファイル形式に対応しているのか理解しておけば、経理担当者の業務の負担が軽くなります。

本記事では、全銀協フォーマットとは何か、主要な銀行や収納代行サービスの対応ファイル形式についてまとめてみましたのでご覧ください。


全銀協フォーマットとは?

全銀協フォーマットは、全銀協標準通信プロトコルによりデータ伝送するために日本全国銀行協会が策定した標準化された電子データ形式です。

このフォーマットは振込や口座振替、給与振込などの手続きで利用されます。振込や口座振替などは異なる企業間でのデータ送信が必要であり、フォーマットの違いによるミスが起きやすい業務です。

しかし、全銀協フォーマットでリストを統一しておけば、各金融機関でデータの互換性が確保されミスが低減できるうえに業務の効率化につながります。そのため、金融機関では全銀協フォーマットを利用したデータの伝達を推奨しています。

なお、全銀協フォーマットとは全銀協規定フォーマットの略称で、テキスト形式のファイルです。「全銀フォーマット」「全銀ファイル」と呼ばれているケースも多いのではないでしょうか。

データ形式

全銀協フォーマットは、txtファイルであり、「ヘッダーヘッダー・レコード」「データ・レコード」「トレーラ・レコード」「エンド・レコード」の大きく4つの要素で構成されています。

①ヘッダー・レコード

振込元(依頼人、委託者、仕向)の口座情報を記述しています。
給与の振込を例にとると、ヘッダー・レコードに振込元である企業の口座情報が入ります。

②データ・レコード

振込先(被仕向)の口座情報や金額を記述しています。
給与の振込を例にとると、データ・レコードに従業員の口座情報やその金額が入ります。従業員が100名であれば、このレコードは100行になります。

③トレーラ・レコード

データの件数や合計金額を記述しています。
給与の振込を例にとると、従業員が100名であればその件数が100件で合計金額は振り込まれる給与の総額が表示されます。

④エンド・レコード

ファイルの終点を示しています。


銀行と収納代行サービス会社の対応ファイル形式

各企業では対応しているファイル形式が異なります。
ここからは、次の主要な銀行・収納代行サービス会社の対応ファイル形式を紹介します。

  • 三菱UFJ銀行

  • みずほ銀行

  • 三井住友銀行

  • PayPay銀行

  • GMOあおぞら銀行

  • ジャックス

  • インサイト

  • 三菱UFJファクター

なお、次の表は、各企業の対応ファイル形式をまとめたものです。
※あくまでも当社が調べた情報で正確な情報は各企業のWEBサイトなどご参照ください。

各企業対応ファイル形式表

三菱UFJ銀行

三菱UFJ銀行は、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)傘下のメガバンクであり、国内では個人の取引口座数4,000万口座を誇り、法人の取引先数40万社と多くの企業がメインバンクとして利用している銀行です。
三菱UFJ銀行の対応ファイル形式は、次のとおりです。

  • 全銀協フォーマット

  • CSV形式

  • テキスト形式

全銀協フォーマットに対応しており、振込や口座振替のデータを標準化された形式でやり取りできます。全銀フォーマットのほかにも、CSV形式やテキスト形式のデータにも対応しています。

みずほ銀行

みずほ銀行は、みずほフィナンシャルグループ(MHFG)傘下のメガバンクであり、個人で口座を開設している人は約2,200万人で日本の人口の約20%を占める銀行です。
みずほ銀行の対応ファイル形式は、次のとおりです。

  • 全銀協フォーマット

  • CSV形式

  • テキスト形式

みずほ銀行も全銀協フォーマットに対応している銀行です。また、全銀協フォーマット以外にも、CSV形式やテキスト形式にも対応しています。

三井住友銀行

三井住友銀行は、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)傘下のメガバンクであり、個人預金口座数は約2,700万口座、法人貸出先数約8.4万社と多くの人が利用している銀行です。
三井住友銀行の対応ファイル形式は、次のとおりです。

  • 全銀協フォーマット

  • CSV形式

  • テキスト形式

  • XML形式

三井住友銀行では、大手銀行・収納代行サービス会社の中でも珍しくXML形式にも対応しています。XMLとは、文章の見た目や構造を記述するためのマークアップ言語のひとつです。コンピューターシステム間でのやり取りを簡単におこなう目的で使用され、インターネットを介した情報交換手段として用いられます。

PayPay銀行

PayPay銀行は、旧ジャパンネット銀行であり、日本初のネット専業銀行として開業された銀行です。
一般的な銀行と違い、インターネット上で24時間手続きができるといった便利なサービスを提供し、ネット銀行トップクラスである約700万口座を開設しています。
PayPay銀行の対応ファイル形式は、次のとおりです。

  • 全銀協フォーマット

  • CSV形式

  • API連携

PayPay銀行では全銀協フォーマットに対応しているだけでなく、APIを利用したデータ連携も可能です。
APIとは、主にソフトウェアやプログラムどうしをつないでいるインターフェースです。たとえば、発注手続きするときの申請ワークフローシステムと、電子決済システムを連携させて契約手続きまで一気通貫で済ませるのはAPI連携の具体例といえます。

GMOあおぞらネット銀行

GMOあおぞらネット銀行は、あおぞら銀行とGMOインターネット、GMOフィナンシャルホールディングスが共同出資して設立した銀行です。「すべてはお客さまのために、No.1テクノロジーバンクを目指して」をコーポレートビジョンに掲げてサービスを提供しています。
GMOあおぞら銀行の対応ファイル形式は、次のとおりです。

  • 全銀協フォーマット

  • CSV形式

  • API連携

GMOあおぞら銀行ではデジタルバンキングに力を入れており、APIを使ったデータ連携や、CSV形式のファイルに対応しています。

ジャックス

ジャックスは、クレジット事業で国内トップクラスの会社であり、ショッピングクレジット取扱高は約5,982億円、営業総債権残高は約7兆3,103億円を誇る収納代行サービスを提供しています。
ジャックスの対応ファイル形式は、次のとおりです。

  • 全銀協フォーマット

  • CSV形式

  • テキスト形式

ジャックスは全銀フォーマットをはじめとし、CSV形式やテキスト形式に対応しています。

インサイト

インサイトは、家賃・各種決済代行・収納代行を主なサービスとして提供している企業です。月間取扱高400億円を超えており、利用者が多く、暮らしに関する決済サービスを支えています。
インサイトの対応ファイル形式は、次のとおりです。

  • 全銀協フォーマット

  • CSV形式

  • テキスト形式

  • API連携

インサイトでは、全銀フォーマットを含む各種データ形式に対応しています。対応ファイルの種類が豊富であり、自社で作成している独自の形式でも対応できるケースもあります。

三菱UFJファクター

三菱UFJファクターは、代金回収サービス・ファクタリングサービス・電子債権サービスなどを手掛ける企業です。全国にあるほとんどの銀行に対応しており、三菱UFJファクターを利用すれば代金回収に関する事務処理の負担が大幅に削減できます。
三菱UFJファクターの対応ファイル形式は、次のとおりです。

  • 全銀フォーマット

  • CSV形式

  • API連携対応

三菱UFJファクターは全銀フォーマットに対応しているのはもちろんのこと、CSV形式やAPI連携にも対応しています。

家賃保証クラウドは出力も取り込みも、固定長(txt)にもCSV形式にも対応可能です

いつも入力しているデータを全銀協フォーマットに移行できれば、と思う方もいるでしょう。
「家賃保証クラウド」は、金融機関に依頼する際のデータを作成する際にも、金融機関から結果データを取り込む場合にも、全銀協フォーマットに対応をしております。
データ変換機能を利用し必要事項を数ヵ所入力するだけで固定長であるtxt形式でもCSV形式でも全銀協フォーマットへの変換が可能です。これにより、経理担当者の事務処理の負担が軽減し、コア業務に集中できます。

事務処理の負担軽減を図りたいと考えているのであれば、ぜひ家賃保証クラウドの利用をご検討ください。

まとめ

全銀協フォーマットは、日本の金融機関で統一使用されているファイル形式です。
三菱UFJ銀行やみずほ銀行、三井住友銀行などのメガバンクだけでなく、PayPay銀行といったネット銀行でも全銀協のフォーマットを使用しています。
そのため、集金収納を依頼する企業が複数あったとしても、全銀協フォーマットなら同じファイル形式で提出が可能です。

集金収納は毎月発生するため、異なったファイル形式の作成の事務処理は相当な負担になりますが、全銀協フォーマットを活用すれば経理担当者の事務処理の負担軽減が実現できます。

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